■姫路おでんの定義 |
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姫路おでんの定義はこれから議論していきたいと、思っていますが、当面は姫路流の生姜醤油で食べるおでんはすべて姫路おでんといたします。
- だし汁を切って、上からたっぷりと生姜醤油をかける。
- だし汁に生姜醤油をお好みで混ぜる。
- かけるのではなく、刺身のように生姜醤油につけて食べる。
- ネギを入れる。または入れない。
- カラシを添える。添えない。
これらはすべて、みーんな「姫路おでん」です。(^^)
※大きく分類すると、姫路には関東煮(かんとだき)と呼ばれる濃く甘い味付けのおでんと、専門店で提供される薄味のおでんの2種類が存在しますが、生姜醤油で食べるおでんはすべて「姫路おでん」とさせていただきたいと思います。
・生姜醤油の作り方
濃口醤油に土生姜をすったものをお好みの量入れて下さい。
醤油はそのままで結構ですが、味醂を少量加えたり、
日本酒を少し入れて、ひと煮立ちさせてから使われる方もおられます。
- その他、お店によってはナイショの配合もあるみたいです。
- おでんのダシを少し生姜醤油に混ぜて出されるお店もあります。
- 薄口醤油を使うお店もあります。
生姜醤油と聞くと「醤油で煮込んだおでんに生姜醤油をつけるなんて、
なんだか辛そう」というイメージがあるかと思いますが、
意外にさっぱりとおいしく食べることができます。
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■姫路おでんの起源 (2006.10.31修正 2007.2.6加筆 2007.9.1加筆) |
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おでんに生姜醤油(しょうがじょうゆ)をかけるという、姫路を中心に加古川〜相生あたりまでのごく限られた地域の食べ方を、2006年6月に姫路おでん探検隊が「姫路おでん」と命名しました。(地元姫路では一般的な食べ方だったため、それまでは特に名前はありませんでした。)
食べ方の起源については諸説があるのですが、昭和初期に姫路の浜手地域で、甘辛い関東煮(かんとだき)に生姜醤油をかけて味を調整して食べたのが始まりではないかと言われています。
元々は、関東煮のダシを切って生姜醤油を上からぶっかけていたのですが、その後、関西風の薄味(飲めるダシ)のおでんの登場と共に、刺身のように小皿に入れた生姜醤油につけて食べる方も多くなってきました。
- 戦中・戦後の食糧難の時代に煮込みすぎ、味が抜けてしまった おでんの味を補うために生姜醤油をかけるようになったという説(闇市発祥説)が、これまで一番有力でしたが、調べていくと少なくとも昭和10年頃には、生姜醤油をかけていた事が分かってきました。
- 70年以上続いている 姫路おでんの元祖的お店「かどや食堂」さんでは、甘く濃く煮込まれた関東煮(かんとだき)の上から生姜醤油をかけるスタイルで提供されています。
- 複数の昭和一ケタ生まれの方から、屋台のおでん(煮込み田楽)には戦前から甘味噌(田楽味噌)か、生姜醤油をつけて食べていたという証言を頂いています。
- 姫路おでんの発祥は浜手にある...という説を聞いたことがあります。白浜にある海の家のおでんはかどや食堂さん同様甘辛い味付けでした。また、私(ほりほり)のかってな推測かもしれませんが、祭りと関東煮、そして生姜醤油になにか関連性があるような気がしてなりません。
- ある方の情報では大阪から距離が離れるほど、料理の味付けが甘くなると聞いたことがあります。
- 【2007.9.1加筆】白浜の海の家では大正末期の創業当時から生姜醤油の関東煮(おでん)を提供していたと組合長さんから伺いました。
- 【2008.11.26加筆】以下の情報提供を頂きました。
投稿者:どうなんでしょ??さん (2008年11月23日
01時04分13秒)
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ほりほりさんのHPリンクでここにきました。
生姜醤油のルーツがなかなかわからないようですが、うちのオヤジの話によると、昔飾磨には(飾磨在住です)10軒以上の駄菓子屋にかんと煮が売ってたそうです。
一本5円(当時)とかやったらしいのですが、そのかんと煮は串に刺さっとって、取り易く、食べ易いようにしてあったんかもしれませんが、そのまだ昔(昭和初期くらいかな?)は馬力引きがかんと煮屋に寄って、食べながら馬を操れるように串にさしてあったんらしいです。その為さっと生姜醤油に漬けて食べれるようにしとったんが、そもそもの発端ちゃうか?とのことでした。
オヤジは現在60歳なんで小さい頃にはそこそこ馬力引きも見たようで、その時に実際に食べとる人も見ていたいようです。
※注:馬力引きとはタイヤを履いた荷車を馬で引く当時の輸送業
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これからも調査を続けていきますので、何かご存じの事がありましたら、ぜひ、情報提供をお願い申し上げます。 |
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■姫路のおでんダネ |
1. |
姫路経営者協会のアンケート調査による人気おでんの具は以下の通りです。
- 大根
- ゆでたまご
- 牛すじ肉
- 厚揚げ
- 餅入り巾着
- じゃがいも
- こんにゃく
- ちくわ
- ごぼ天(ごぼう入りのさつま揚げ)
- 焼き豆腐
- はんぺん
- しらたき
- がんもどき
おでん屋で、まず最初に「大根」を頼めば、そのお店のレベルが分かるような気がします。
「牛すじ」は、姫路ではおでん出汁の一部ですのでこれを外す訳にはいきません。また、蒲鉾は姫路の名産品ですので「ごぼ天」、「ちくわ」もとっても美味しいです。焼き豆腐は関西のおでんダネだと聞いた記憶があります。
ランキングにはありませんが、個人的には前どれの「タコ」がお薦めです。
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2. |
すじ肉の「やらかいのん」「かたいのん」
関西のおでんダネの代表に牛すじ肉がありますが、(関東でスジといえばサメの軟骨を寄せて固めたモノを言います)姫路で牛すじと言えば
- 牛すじ
- アキレス
- メンブレン(牛の横隔膜を被っている薄い膜)
の3種類があります。ただ、おでん屋さんで注文する際は、すじ肉の「やらかいのん(柔らかいモノ)」と「かたいのん(固いモノ)」と呼ぶのですが、これは一般に"ひきすじ"を"やらかいのん"、"アキレス"を"かたいのん"と呼んでいる様です。
ただし、ある店で頼んだらどちらも"牛すじ"が出てきたことがあるので、店によっては炊き込み具合によっても呼び分けているのかもしれません。(←この時はちょっと酔っていたので自信がありません。この件に関しては調査?を続けていきたいと思っています。)
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3. |
東来春(とうらいしゅん)のシュウマイ
犬島正博さんの、姫路おでん探検隊掲示板への書き込みに「我が家もショウガ醤油にカラシ、これが定番。そして大根、ゴボ天、ちくわ、こんにゃく、じゃがいも、人参。時々、東来春のシュウマイを入れます。」とありました。
それ以来、おでんを注文する際には必ずシュウマイを注文して確認するのですが、確かにおでん屋さんの中には東来春のシュウマイを使用されているお店があります。
※東来春のシュウマイ:姫路の老舗・中華料理屋さんのシュウマイ。独特の食感が姫路っ子に人気で、お店ではウースターソースでこのシュウマイを食べるのがお約束です。
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4. |
その他
太市のタケノコ、地元メーカーの焼穴子、地元の豆腐屋さんの焼豆腐、厚揚げ、地元メーカーのベーコンを使ったロールキャベツ、姫路名産の「じゃこ」と「網干レンコン」を使った天ぷら(薩摩揚げ)などが、地域の食材を使ったおでんの具として見かけました。
あと、松浦亜弥さん出演のテレビ番組で「お父さんの頭」と、ダウンタウンのギャグにされた鶏の手羽先をおでんダネとして提供されているお店もあります。
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■姫路のおでんの分布範囲 |
1. |
当初、生姜醤油をおでん(関東煮)にかけて食べる地域は高砂〜相生(あいおい)と発表したところ、「加古川でも生姜醤油を普通にかける」とのご指摘を多数頂きました。
申しわけございません。おでんに生姜醤油をかける分布範囲は、西は相生から、東は加古川とするのが正しいかと思います。
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2. |
北は、お隣のたつの市、加西市辺りまでかと思います。
ただ、かなり離れた、豊岡市でもおでん(関東煮)に生姜醤油をかけるという情報を複数の方から頂きました。これは、おそらく姫路周辺で料理の修業をされた方が、豊岡で生姜醤油のおでんをはじめられたものかと推測しています。
(当委員会でも姫路の料理屋で修行された方が日高町で開業され、生姜醤油のおでんを出されている...という情報を確認しています)
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(2006.11.20) |
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